嘘で塗り固められた私の日常

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むにゅ。 「なっ、な、なにしゅんのよ!?」 不意に 梶くんの手により 両頬をむにゅっと抓られる。 きっと今 今の私の顔は 見るに耐えない酷い顔だろう……。 その証拠に 私の隣にいる神部さんは 私に 気を使っているのかいないのか 必死に笑いを押し殺しているように見える。 「ぷっ、変な顔」 「だ、誰のしぇいだと、おも」 「クスッ、なに言ってんのかわかりませーん。ちゃんと、はっきり喋ってくださーい。」 私の頬を抓りながら ケラケラと楽しそうに笑う悪魔。 同期の 梶くんとは いつもこんな感じで 彼は何かと理由をつけては 私にちょっかいを出してきて意地悪してくる。 そんな 子供みたいな彼でも 仕事は なんでも卒なくこなし 今ではウチの部署の 次期エースど呼ばれるほどの実力の持ち主で。 他の部分はさておき そこだけは私自身尊敬してる。 私と同じ 時期に入社したのに 彼は どんどん 自分のスキルを上げていき 自分のスキルにさらに磨きをかけていっている。 かたや 私はというと…… 「江藤」 「な、何よ……」 .
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