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以前の大人しい私の意識ではなく、総じていうなれば進化したハイブリッドな私だ。
だが、思い出すのが遅すぎると思う。
(無理でしょ…。)
目の前には目視でも2m越えはしている背の高い男鬼。
こちとら、数えで10歳にも満たないか弱い少女だ。
全力で記憶を探る。この世界で当然のように存在する力、術力、霊力、気力。どこまで持つのかわからない。
誰にでもあるなら私にも使えるはずと気を取りなおす。
前世でプレイをしたそのゲームのタイトルはなんだったか。ただ、和風ゲームらしく妖怪や鬼が敵として登場する。
目の前の男鬼はレジェンド討伐戦という一人では到底敵うことのない討伐対象として登場する男鬼に似ている。
よくよく見ればそのものじゃないだろうか。
(ボス?伝説級のボス……だと?!)
……。
(うおおおおおお!?役に立たないのを思い出したっ!)
狂戦士と言われるボスを目の前にしていたら、瞬殺だろう。子どもがそんな化け物を相手に出来るわけがない。
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