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「ふぎゃーーーーッ!!!」
絶叫しながらも、近づく男鬼から素早く離れた。
かすった肩口から赤い滲みが見える。
(木片の欠片ごときで天国行けるじゃん!!避けなかったら、木っ端微塵よ?!)
スローモーションかと思いきや威力は桁はずれだ!!
再び振り下ろされた刀の切っ先を煙の立ち上る粉砕した板間から引き抜き、ゆっくりと愉しむように私へと向きなおる。
(うわっ!!こわっっっ!!!)
鬼の形相とはこのことかと、恐怖とともに魂が揺さぶられる。阿鼻叫喚な状態から脱するためにも、この世界での記憶を探る。
(少年はゲームで何してたんだっけ?)
(思い出せ、思い出せ!)
男鬼に襲撃される理由が、なんだったのかその答えに、もう少しでたどり着けそうなのにあと少しのところで何かが引っ掛かって押し止める。
このまま行くと私は確実に死ぬだろう。
(………)
そんな詰んだ状況の中、ゲームのタイトルを思い出した。
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