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振り返って考えてみるとあの時の僕はちょっとだけ素っ気なかった気がする。
「翔くんでしょ??色々噂聞いてるよ」
彼女はとても嬉しそうに話す
「恥ずかしいな、きっと悪い噂ばっかりでしょ?」
「うんうん、翔くんは優しくて頭も良くてしかもスポーツも得意なんでしょ?」
「そんなことないよ、全然普通だよ」
急に煽てられたようで少し動揺した、だが僕は相手に合わせて会話するのみだった
「翔くんの好きな食べ物は?」
「いちごとお肉かな」
「そうなんだね、じゃあ部活は何やってるの?」
「陸上だよ、走り幅跳び」
「私、小学校の時走り幅跳びやってたの」
彼女はとても楽しそうに、初対面のぶっきらぼうな僕にその後も話しかけ続けた。それはとてもたわいのない話だったが、思いがけず僕の心は満たされていた。
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