‘山に不時着した小型飛行船’

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風が我の粘膜に守られた体を撫でる 粘膜が乾くのも時間の問題か 「ったく…なんだよ あの、先輩…俺が何をしたってんだよ! たかがパートのくせに生意気だ…! なんてさ…ただ、客に ほんとのこといっただけなのに…」 …声がする… 飛行船は我が離れた事でその姿を不可視に変えた これは我ら冥王星人の自慢の技術のひとつ 「デブがスレンダーな服着たら 窮屈なんだからさ… お客様、そのお洋服は いくぶん窮屈かと… もっとゆったりしたサイズのものがあるので… って言って大きい服のコーナーに 案内してやっただけだろ? はあ…もう、仕事やめようかな… 俺には向いてないんだよ」 一人で話してるようだ プルルルルップルルルルッ 「あ、深雪(みゆき)ちゃんからだ… もしもーし深雪ちゃん? あーうん…ちょっと仕事で嫌なことがあってさ… 今、どこって?裏山だけど… ふふ…はいはい、わかったよ 俺んちすぐ近くだし え?あ、来るの…? わかった 合鍵持ってるよね? うん、じゃあ…部屋で待ってて」 我は声がする方に向かって歩き その人間の雄の背後に立った 「はーい、ふふ…すぐ行くよ ん…なんだ…影?」 人間の雄は振り向いて我を 見上げ目を見開き 手に持っていたスマートな手のひらサイズの 縦長の精密機械を緑の上に落としたimage=505866901.jpg
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