3人が本棚に入れています
本棚に追加
我はその人間の雄に向かって手を伸ばす
「わあああっ…!く、くるな…!」
人間の雄は後退る
このままでは逃げられる
逃がさない!
我は人間の雄に飛びかかり喰らいついた
「ぐわああぁぁぁ…!」
グチャグチャ…バキッ…ヌチャッ
『ちょ、どうしたの…!?
藤博くん!藤博くーん…!
あ…ま、また…あたしを
ビビらせようとしてるのね!』
グチャリ…バキッボリボリッ…
『藤博…くん?な、なんの音なの?
や、やめてよ…こ、怖い…っ』
さっきから緑の上に落ちた
スマートな精密機械から声がする
我はこの雄の脳味噌を食べてるところだ
その記憶に侵入してみた
ふむ…この緑は芝生と言うのか
スマートな精密機械はスマートフォン
離れた相手と話せる通信機か
人間の技術は素晴らしい
我は人間の雄を喰い終わり
人間の雄の体を頂いた
トランスフォーム能力によって…
我は今日からこの人間の雄として生きる
この雄の名前は久崎 藤博(クサキフジヒロ)
年齢24歳…身長は179㎝
付き合ってる人間の雌
つまり、彼女は出水 深雪(イズミミユキ)23歳
我はスマートフォンを拾い上げた
「ごめんね、深雪ちゃん
何でもないんだ…すぐ行くよ
うん、じゃあね…」
ピッ…
し…しゃらららら…
我は運がいい、繁殖もできるじゃないか
我はスマートフォンをズボンの
後ろポケットにしまい前を向いて笑った
最初のコメントを投稿しよう!