‘山に不時着した小型飛行船’

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我はその人間の雄に向かって手を伸ばす 「わあああっ…!く、くるな…!」 人間の雄は後退る このままでは逃げられる 逃がさない! 我は人間の雄に飛びかかり喰らいついた 「ぐわああぁぁぁ…!」 グチャグチャ…バキッ…ヌチャッ 『ちょ、どうしたの…!? 藤博くん!藤博くーん…! あ…ま、また…あたしを ビビらせようとしてるのね!』 グチャリ…バキッボリボリッ… 『藤博…くん?な、なんの音なの? や、やめてよ…こ、怖い…っ』 さっきから緑の上に落ちた スマートな精密機械から声がする 我はこの雄の脳味噌を食べてるところだ その記憶に侵入してみた ふむ…この緑は芝生と言うのか スマートな精密機械はスマートフォン 離れた相手と話せる通信機か 人間の技術は素晴らしい 我は人間の雄を喰い終わり 人間の雄の体を頂いた トランスフォーム能力によって… 我は今日からこの人間の雄として生きる この雄の名前は久崎 藤博(クサキフジヒロ) 年齢24歳…身長は179㎝ 付き合ってる人間の雌 つまり、彼女は出水 深雪(イズミミユキ)23歳 我はスマートフォンを拾い上げた 「ごめんね、深雪ちゃん 何でもないんだ…すぐ行くよ うん、じゃあね…」 ピッ… し…しゃらららら… 我は運がいい、繁殖もできるじゃないか 我はスマートフォンをズボンの 後ろポケットにしまい前を向いて笑ったimage=505867254.jpg
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