第十章:貴方の隣で咲く花になりたい

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 お互いの唇がまるで引き寄せられるようにキスをする。  いつもそうだった。自分たちは『恋人』なのか、と確かめたことはなかったけれど、杉浦という男は、求めれば必ず応じてくれたし、躊躇していれば、誘うかのようにその手を伸ばしてきた。  キスを深くしながら、膝にひっかかっていた杉浦のボクサーパンツを剥ぎ取り、自分も体を起こし、杉浦に跨ったまま、衣服も急いで脱ぐ。  裸になって再び覆い被さるようにして抱き合う。お互いの身体はしっとりと汗ばんでいたが、構わない。杉浦の汗なら、すべて舐めとってしまいたいほどに愛しい。  杉浦の腰を引き寄せ、股を開かせ奥の秘めた蕾が目の前に近づく。 「あんまり……見るなって」  されるがままになっているくせに、恥ずかしいのか、股の間から見える杉浦の顏はそっぽを向いていた。 「俺しか知らない場所ですから」 「そりゃそうだけど……」  すん、と鼻先を近づけると、汗ばんだ男の匂いがして、それもまた愛おしい。  蕾の向こうで、さきほど吐き出したばかりのそれは、もうすでに緩くヒクついている。和田が股を広げながら、蕾から陰嚢にかけてをべろりと舐めると、杉浦の身体がびくんと跳ねた。 「やっ……」 「おいしい」  唾液をたっぷりと蕾に流し込むようにして、舌先で湿らせるようにじゅぶじゅぶと舐める。舐めながら右手でゆるゆると陰茎を上下に扱くと徐々にカタチを帯びてくる。 「ひっ……んっ…」 「ここ、こうされるの、気持ちよくなっちゃったんですね」  つぷりと人差し指を入れると、その指を飲みこもうと、ひくひく動く。 「先生のここが、まるで俺の指を美味しそうに食べてるみたい」 「こんな……体にしたの……たっくんだからな?」  指を抜き差しすれば、ちゅぷちゅぷと水音が響く。最初はキツかった中も、和田の指を思い出してきたのか、柔らかくなり、二本、三本と指を咥えると、杉浦の息もさすがに荒くなってくる。 「まさか、本当に癖になるとは思わなかったよっ……んっ…あっ」 「こんなに抱かれ慣れちゃったら、もう女の子抱けないですね、先生」 「たっくんは?俺以外の男、抱ける?」
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