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「このままっ……中に…出して、いいですか…っ!」
もう和田の限界はすぐそばまできている。中に一気に吐き出してしまいたい。杉浦の両足が和田の尻を絡むように挟んでくる。その顏には余裕がなくて、それが返事だとわかる。こんなときまでこの人は、包容力があって、いつも自分はこの人に抱かせてもらっているのだという気になる。
「ああっ……先生っ…先生!」
「んっ……ん…」
頭の先から足の爪の先まですべての快感が走り抜けたと思ったら、存分に杉浦の中へ注ぎ込んでいた。なかなか止まってくれない。
体を震わせながら、汗にはりついた杉浦の前髪を整えてやる。その手の感触に気づいたのか、杉浦は薄く目を開けて、顏を綻ばせる。
――本当に、戻ってきた。
また杉浦を抱ける日が戻ってくるとは思わなかった。
そして今の自分たちは前とは違う。お互いの気持ちが通じ合って、繋がって、ちゃんとひとつになった。
「貴方じゃないと……駄目なんです」
それだけ告げると、杉浦の手が伸びてきて、和田の頭を撫でた。
「俺も、そうみたい」
和田は、杉浦の身体を抱きしめた。
「好きです……先生」
「ん……」
ひとつになったまま、愛しい人を腕に抱きしめて、ようやく夢じゃないと実感した。
もういつだって好きだと言ってもいい。自分のものだって叫んでもいい。
この人は全部受け止めてくれるってわかった。だから自分も、ありったけの愛を注いでもいいのだ。
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