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「いいって。別に責めるつもりはないから。で、気は済んだのか?」
「え……っと」
今、ここで杉浦に誘われたら応じてしまうだろうし、許してもらえるならもう少し……。返事に迷う自分を見て、再び杉浦は笑っていた。
「まぁ、たっくんはヤリたい盛りだしな。じゃあ、今日はとことん付き合うよ。気が済むまで」
「ほんと、ですか?」
「ん。俺が悪かったって思ってるから」
その言葉を聞いて、はいそうですか、とは返事が出来ず、和田は黙った。
「どうした?」
「いえ……」
いきなり体を繋げてしまったけれど、求めてしまったのは自分だけれど、それよりも杉浦とこうして話がしたかった。ずっと聞きたかったことがたくさんあった。今の杉浦なら話してくれるかもしれない。
どう、切り出したらいいのかわからず、黙っていると、杉浦がはぁとため息をついた。
「わかってるよ。いろいろ聞きたいんだろ?ちゃんと話すよ。たっくんには言っておきたい」
「はい……」
和田も杉浦もベランダの柵に手をかけ、再びまっすぐ前を向いた。
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