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「「「いただきますー」」」
リビングの小さなテーブルに並んだピラフをそれぞれが口に運ぶ。
「お、うまいな!」
「ほらねー!僕がうまいっていうんだから間違いないよ」
「にんにくが効いてて、疲れも取れそうだ」
三人のスプーンが止まらない様を見ながら、安堵する。みるみるうちにピラフはなくなり、あっという間に食事の時間は終わり、ようやくひと息ついた。
「先生、本当にモノがねぇんだもんな。まぁ、要のときもそうだったけど」
「前の部屋のモノは、ほとんど元カノの荷物だったんですよ」
「五年住んでたんだろ?その女、どれだけ荷物あったんだ」
「女性は、かわいいものと見ればすぐに買いますからね」
「あー、確かにな」
その話題に、要と自分はよく理解できなかったが、純太郎と杉浦はすっかり打ち解けていて安心した。
「要のほうは落ち着いたの?」
「うん、少しずつ荷物は運んでたからね」
「愛の巣に?」
「バッ……バカ、そんなんじゃない」
よくよく聞いてみれば、十月に付き合いだして半年たたないうちに一緒に住むということになったのだから、ずいぶん性急だと思う。
けれど、相手の純太郎が要を溺愛していることも知っているので、二人はきっとうまくいっているのだろう。
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