2001人が本棚に入れています
本棚に追加
二人を見送り部屋に戻る。
「先生……あの……」
テーブルの皿を黙々と片付ける杉浦の背中に声をかけた。
「要くん、なんだろ?たっくんの好きだった子」
「えっ……」
「まぁ同じ建物に住んでるってことも知ってたけど、へー、そっか」
「そ、そうです、けど!でも要とはもう何も……」
「よく、恋人の前でイチャつけるよな」
「えっ……」
明らかに杉浦は、むーっとしてむくれていた。
――あれ、これって嫉妬してもらってる?
「たっくん、あの子と何回したの?」
「はっ!? ちょ、そんなに何回もしてませんよ!」
「一回は、したんだ……」
「うわあああ」
しまった。あとから気づいた。これは誘導尋問だった。
「俺はいいけど、純太郎さんすごい顔して睨んでたよー」
「ひゃああ……要に悪いことした…」
すっかり意気消沈していると、杉浦は和田の頭をぽんぽんと撫でた。
「冗談だよ。俺の拓海は、俺以外に興味ないもんな」
「あ、当たり前です! それに先生のほうが……回数多いですし」
「へぇ、じゃ今からもう一回増やしておく?」
「いいんですか!?」
思わず弾んだ声で答える。
最初のコメントを投稿しよう!