海と彼氏とかき氷

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降り注ぐ太陽。白い砂浜。青い海。誰もが心躍る光景だろうが、ここで毎日働く人間からすれば、大したことはない。 「おはようございます」 「おはよう、美海」 店長でもあり、私の伯父でもある洋一さんが今日のレジ金を数えていた。地元民が集うこの海の家で、私は夏休みの間バイトをしている。去年、伯父さんに誘われて始めたバイトだが、意外と私に合っていたらしく今年もここで働いている。 「おはようございます」 後ろから聞こえた声に、私はびくりとした。振り返らなくても分かる。少し気だるそうな低い声。私は後ろを振り返った。 「……おはよう、川島くん」 「おはよ、田村」 川島晴くん。私のクラスメイトで、今年から海の家で働いている。挨拶を返されたのに、私はまともに川島くんの顔を見れなかった。 「伯父さん。私、外の掃除行ってくるね」 「おう。よろしく」 私は川島くんの横を通り過ぎる。――私だけが、ひどく動揺してる。 ***** 原因は昨日。ピークの時間を過ぎた午後4時頃、店番をしていた時のことだ。いつもは、普段の光景として見ているのに、昨日は海ではしゃぐカップルがやけにきらきらして見えた。だから、つい、本当に口をついて出ただけだったのだ。 「いいな……」
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