海と彼氏とかき氷

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息が止まるほどびっくりした。 「ひぇ!?えっと、あの――」 その瞬間、川島くんが盛大に噴き出した。唖然とする私を余所に、川島くんは顔を背けてまだ笑っている。 「ごめ……『ひぇ!?』って言ったから……」 恥ずかしくて赤面してしまう。 「ひどいよ!人のことからかって!」 「……からかった訳じゃない」 川島くんはそう言って、私の頭をくしゃりと撫でた。 「考えといて」 そしてお客さんのもとに向かっていった。先ほどのことはなんだったんだろうと思うくらい自然に、いつも通りに。 ***** それから、川島くんの顔がまともに見れなくなっていた。川島くんって、私のこと好きだったの?いや、好きとは言われてないな。手っ取り早く彼女がほしかっただけ?私が彼氏いないなら、毎日会うしちょうどいいやーみたいな感じ? 頭の中ぐるぐるしてる。知恵熱出そうだ。明日もこうやって悩むんだろうか。夏休みは、あと1ヶ月あるのに。そうだよ、あと1ヶ月もある。もし付き合わないって言ったら、それはそれで気まずくない?私が振ったってことになるんじゃない? 『ううー』と呻くが答えは出ない。そうこうしているうちに、休憩時間が終わった。……全く休憩できなかった。
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