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「何でそんな事を言うんですか? あの時約束したじゃないですか。私やミーナを置いていったりしないって! 何でコルビーに何も言い返してくれないんですか。」
竜人はエリスの言葉に何も答えられなかった。
「エリス、俺は・・・・・・。」
「兄さんなんかもう知りません!」
エリスはそう叫ぶと一人町中へと走って行ってしまった。
ドン!
竜人は後ろからの衝撃に振り返ると、そこにはミーナが泣きながら竜人の背中を叩いていた。
「お兄ちゃんのバカ! どうしてお姉ちゃんや私の気持ちが分からないの? そんな意気地無しなお兄ちゃんなんか大キライ!」
ミーナの言葉に何も言葉は出てこなかった。ミーナは泣きながら竜人を見つめ、動物たちは怒ったように竜人に向かって鳴いていた。
やがてティーナが竜人のもとまでやって来ると、ミーナを抱き締めるとあやしながら竜人に話しかけた。
「竜人様、僭越ながら言わせてもらいます。今すぐにエリスお嬢様を追って下さい。ここで動かないのは男が廃ると言うものですよ。」
ティーナの得も言われぬ迫力に若干気圧された竜人は、エリスの走っていった方を見つめる。
「ミーナお嬢様は私たちに任せてください。」
「竜人様はお早く。」
リジィーとラビアも竜人に迫ってきた。
「ミーナの事を頼む!」
竜人は意を決して走り出す。
(エリス、何処だ!何処にいる?)
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