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第2章 王都編 第36話
竜人とエリスはミーナたちと別れた場所まで戻ってきた。
しかし、ミーナたちはすでにそこには居なくなっており、コルビーだけが店の前にいた。
「エリス・・・・・・。」
コルビーはエリスを見つけると気まずそうに名前を呼んでいた。
「ミーナたちは何処にいるか知ってる?」
「ああ、先に宿の方に戻っているって言ってたよ。」
コルビーはエリスの問いに答えた。
「そう・・・、それじゃあ私たちは行くから。」
エリスが宿へと戻ろうとすると、コルビーがエリスを呼び止めた。
「エリス、ごめん。俺は別にお兄さんのことを貶めるつもりはなかったんだ。ただエリスたちが心配で・・・。」
エリスがコルビーの方を向くと、一言告げた。
「私じゃなくて兄さんに謝って。」
エリスの強い口調にオドオドしながら竜人の方を向いたコルビーは、竜人に向かって頭を下げた。
「失礼なことを言ってすみませんでした、竜人さん。俺エリスが心配で竜人さんのことを疑うようなことを言ってしまいました。」
コルビーの言葉を聞いて竜人は頭を上げるように言う。
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