第2章 王都編 第36話

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 中へ入った竜人が見たのはティーナに抱き付きながら泣いているミーナと、それを慰めているティーナたち獣人の三人であった。  竜人たちが帰ってきたことに気が付いたティーナは、ミーナを体から離すと竜人のところに行くように促していた。 「さあ、ミーナお嬢様。竜人様が戻ってきましたよ。」  竜人の前までやって来たミーナは、ティーナから離れると泣きながら竜人に抱き付いてきた。 「お、お兄ちゃん、大キライなんて言ってごめんなさい。ひっく、ミーナのこと嫌いにならないで・・・・・・。」  ミーナは懸命に竜人にしがみついていた。竜人はミーナを抱き締めると頭を撫でながらあやしていた。 「ミーナ、大丈夫だ。お兄ちゃんはミーナのことを絶対に嫌いにはならないよ。ごめんな、ミーナにあんなこと言わせてしまって。お兄ちゃんが情けなかったからミーナやエリスを傷つけてしまったね。でも、ミーナのお陰でエリスとも仲直りが出来たよ。ありがとうな。」  竜人に必死にしがみついていたミーナは、竜人の言葉を聞くと安心して再び泣き出してしまった。  竜人は優しくミーナをあやしながら、ティーナたちの方を向く。 「ティーナたちもミーナのことをありがとう。あとは部屋に戻って休んでいてくれ。」  竜人はティーナたちにそう告げる。     
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