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中へ入った竜人が見たのはティーナに抱き付きながら泣いているミーナと、それを慰めているティーナたち獣人の三人であった。
竜人たちが帰ってきたことに気が付いたティーナは、ミーナを体から離すと竜人のところに行くように促していた。
「さあ、ミーナお嬢様。竜人様が戻ってきましたよ。」
竜人の前までやって来たミーナは、ティーナから離れると泣きながら竜人に抱き付いてきた。
「お、お兄ちゃん、大キライなんて言ってごめんなさい。ひっく、ミーナのこと嫌いにならないで・・・・・・。」
ミーナは懸命に竜人にしがみついていた。竜人はミーナを抱き締めると頭を撫でながらあやしていた。
「ミーナ、大丈夫だ。お兄ちゃんはミーナのことを絶対に嫌いにはならないよ。ごめんな、ミーナにあんなこと言わせてしまって。お兄ちゃんが情けなかったからミーナやエリスを傷つけてしまったね。でも、ミーナのお陰でエリスとも仲直りが出来たよ。ありがとうな。」
竜人に必死にしがみついていたミーナは、竜人の言葉を聞くと安心して再び泣き出してしまった。
竜人は優しくミーナをあやしながら、ティーナたちの方を向く。
「ティーナたちもミーナのことをありがとう。あとは部屋に戻って休んでいてくれ。」
竜人はティーナたちにそう告げる。
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