第16話 打ち上げ

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 受け取ってもらえたのが嬉しい由姫は、笑顔で「ありがとうございます。」と博哉に告げた。 「お、おい。あいつは誰だ? なんかスゲー親しそうに話しているし、汐崎さんめちゃくちゃ嬉しそうにしてるぞ。」 「バイトの先輩だと。しまった、その手があったか。分からないことは手取り足取りとそんな羨まけしからんことを。」  馬鹿どもが右往左往するなか、女子たちも話題がそちらにいく。 「うちのバカどもと違って、あの人は大人よね。」 「私が水を溢したときも、さりげなくタオルを持ってきてくれて、片付けまでしてくれたもん。やっぱ大人の男の人は違うわよね。」 『けっ、あんな優男!』  男たちの恨みの視線が博哉に集まっていた。 「マスターと歩さんにもありますので、良かったら食べて下さい。」 「ありがとう由姫ちゃん。」 「あら、私までいいの。悪いわねー。」  歩とマスターもクラスメートたちと共に由姫の手作りパウンドケーキを食べる。 「美味しい!」 「お店で出しても良いくらいよ。」 「まじでうまいー。」 「我が生涯に悔いはない。」 「そんな事ないよー。作り方は簡単だから誰にでも作れるし。」  クラスメートから絶賛されて、照れる由姫。     
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