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受け取ってもらえたのが嬉しい由姫は、笑顔で「ありがとうございます。」と博哉に告げた。
「お、おい。あいつは誰だ? なんかスゲー親しそうに話しているし、汐崎さんめちゃくちゃ嬉しそうにしてるぞ。」
「バイトの先輩だと。しまった、その手があったか。分からないことは手取り足取りとそんな羨まけしからんことを。」
馬鹿どもが右往左往するなか、女子たちも話題がそちらにいく。
「うちのバカどもと違って、あの人は大人よね。」
「私が水を溢したときも、さりげなくタオルを持ってきてくれて、片付けまでしてくれたもん。やっぱ大人の男の人は違うわよね。」
『けっ、あんな優男!』
男たちの恨みの視線が博哉に集まっていた。
「マスターと歩さんにもありますので、良かったら食べて下さい。」
「ありがとう由姫ちゃん。」
「あら、私までいいの。悪いわねー。」
歩とマスターもクラスメートたちと共に由姫の手作りパウンドケーキを食べる。
「美味しい!」
「お店で出しても良いくらいよ。」
「まじでうまいー。」
「我が生涯に悔いはない。」
「そんな事ないよー。作り方は簡単だから誰にでも作れるし。」
クラスメートから絶賛されて、照れる由姫。
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