…母の死…

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ブレザー姿の女の子が煙突から立ち上ぼる煙をぼんやりと見ていた。 「里奈ちゃん、そろそろ時間だからもどりましょ」 彼女を呼びに来たのは彼女の叔母だった。叔母は彼女のいるところまで来て、それから彼女といっしょに火葬場へ向かって歩き出した。 「突然だったわね…」 叔母がぼそりと言う。 「でも、もうこれで、姉さん、お義兄さんからひどいことされないんだな、って思ったら…」 そこで叔母は言葉を飲み込んだ。 「ごめんなさい、里奈ちゃん。そんなこと言っちゃいけないよね…でも…」 「いいよ、叔母さん。私もそう思うもん」 「里奈ちゃんはこれからどうするの?」 「…」 「里奈ちゃんさえ良かったら、うちに来てもらってもいいのよ。こう言っちゃなんだけど、家にお義兄さんと里奈ちゃんだけなんて心配だわ」 「ありがとう、叔母さん。でも…、あんな父でも、父ですから」
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