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「良いわ、面白そうじゃない。じゃあ、本当に死んだ人間にそんなことができるのか試してみましょう」
「約束よ。あたしが先に死んだ時はちゃんと報せてあげるから、あんたももしあたしより先にいなくなったときはやってみせなさいよ」
この時の母は、ちょっとしたノリで話しているだけの冗談だろうという程度の認識で話をしていたそうです。
しかし、それから八年後。
叔母は重い病気を患い、数度の入退院を繰り返した後に他界してしまいました。
当然、すぐに親族が集まり葬儀の準備が始まったわけなのですが、葬儀の二日目と言っていたでしょうか。
お通夜が執り行われている夜、身内とごく一部の親族だけが残って線香の番をしていた時のことでした。
時刻は日付が変わる少し手前だったと母は記憶しています。
小さな住宅に住んでいた叔母の家は遺体を寝かせている座敷と茶の間に、キッチンとトイレがあるだけの狭い間取りでした。
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