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そこに、居残った家族や親戚が五人ほどで線香を絶やさぬよう番をしていたらしいのですが、突然、何の前触れもなく部屋の明かりが消えてしまったらしいのです。
「何だいきなり? ブレーカーでも落ちたのか? おい、誰かブレーカーの場所わかるだろ。戻してきてくれ」
「あ、あたしわかるから戻してくるよ」
蝋燭の光だけが揺らめく中、叔母の娘さんがキッチンにあるブレーカーを上げにいきました。
「大して電気も使ってないのに、何でいきなりブレーカーが落ちたんだろうな?」
残った人たちが不思議そうにそんなやり取りをしていると、ほどなくして部屋に電気が戻り明るくなります。
しかし、ホッとしたのも束の間。
「良かった。ちゃんと点いたね」
安心したように娘さんが部屋へ戻ってきたと同時に、またブレーカーが落ち部屋の中が暗くなってしまったのです。
そしてまさにこの瞬間、
(――あ!)
母は忘れていた八年前の約束を思い出したそうです。
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