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私たちは変わった。いや、変わってしまった。 この真っ黒な社会の中で、貴方は大人になる。私も、大人になっていく。 大人にはなりたくないと思った。 あの場所に行けば、きっと私は私ではなくなってしまうと思ったから。 自我を失うと思ったから。 笑われたっていい、貶されたっていい。子供だと馬鹿にされたって構わない。 子供でも大人でもない存在でありたかった。 そして貴方と過ごした時間がそうだった。 けれど、少しずつ変わっていった。 緩やかに、首を絞めるように社会が私を包み込んでいく。 いずれ、私もあの大人たちのように、笑顔を貼り付けたまま社会へ適応しなければならない
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