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車の後部座席に座りながら、ぼうっと外の景色を見ていた。
明るすぎる青い海が見えてきた。
祖母の家は、もうすぐだ。
「よう来てくれたなあ。仁美ちゃん!」
玄関で出迎えてくれた祖母は、私を見て、母の名前を呼んだ。
思わず隣にいる母の顔を見る。
「最近急に呆けちゃって」
父方の祖父母は2人とも私が高校生の時に亡くなった。そして母方の祖父も一昨年に亡くなっている。
3人とも、私は最期を迎える直前に、顔を見に行った。
その経験が、嫌でも私にわからせてしまった。
おばあちゃんの顔は、もう最期を迎えようとする人の顔だった。
「栞?どうかした?」
「……ちょっと、外でてくる」
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