【第一章】引き寄せる運命

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【第二章】影  時は流れ、二人の兄弟は、立派な青年へと成長を遂げていました。弟のニコラスは医者になることを夢にしていたのですが、貧しい子どもたちの多いこの国に、教師の数はとても少なく、教育を受ける事ができないことで、トゥナーの町もどんどん衰退すいじゃくしていく現状を考えて、教師へとなっていたのです。たとえ、学校があってもそのほとんどは、家の手伝いのため、勉強をさせてくれる家は少なかったのです。ニコラスは、貧しい子でも、もちろん差別することなく受け入れ、また、ひとりで学校の教師をしているので、生徒の年齢は様々でした。  そして、相変わらず、このトゥナーには、雪が多く、人々の悩みの種たねだったのですが、兄のラースの発明で、トナカイにそりを付けるなどの工夫をし、運搬うんぱんや移動を短縮たんしゅくさせるのに成功していたのでした。ラースは目立つ事が嫌いで、あまり人との関わりがない鍛冶屋かじやという職をしながら、家でも発明をして、物理学を勉強していきました。  二人の兄弟は、町では有名な貴族の青年で、とても凛々(りり)しく紳士的な風貌ふうぼうから多くの女性からの話もあったのですが、特にこれといった女性はいなかったのです。ニコラスはこどもたちの為に忙しく、ラースはそういう事に関しては、どこか冷めた目で見ていたからでしょう。それは、父親のことが原因だったのかもしれません。  優しいニコラスは毎年この寒い季節になると、特に町は寒さの為、貧しい暮らしを強いられてきたので、一番弱い悲しい想いをしている子どもたちへプレゼントを贈っていたのでした。  ラースは、ニコラスから無理やり子どもたちに贈おくるための玩具おもちゃを作るようにと言われ、仕方なく作りました。仕方なく始めた玩具おもちゃ作りでも、ラースの腕は確かで、とても玩具の出来は良く、子どもたちはとても喜びました。だが、悪い事をするような子どもには、ラースは怖がらせたりしていたので、毎回ニコラスから怒られたいました。
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