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「反乱?」
「作者の思惑通りに動くのが、前々から気に入らなかったのだろう。自我の目覚めというか。それぞれが、好き勝手に行動し混在してしまった映画のフィルムを引っかき回し始めたんだ」
Y氏達による反乱。それが、星村が所有している自作した映画のフィルムの内容が無茶苦茶になった原因なのだろう。
「金髪の男はそいつらを倒す為に向かったのだが、一つ、問題が発生した。Y氏達が彼の記憶から彼が出会った強者を模倣してしまった」
「強者を模倣?」
「私達は作者により仮名が与えられた仮初めの存在だ。故に決まった姿、性別、性格をしていないから、何か元になるモノであれば、それを模すこともできる」
P博士はリモコンのボタンを押して画面を切り替えた。三分割された画面に遠目ではあるが、現在の三人の姿が映し出される。
「あーあ」
虎子は納得したように頷いた。
トコリコが覚えていた強者の姿が、そこにはあった。特に二番目の画面に映る人物には虎子も覚えはあった。自分と同じ鍵の保持者(キーホルダー)の色上良次だ。トコリコの記憶から、彼に関する情報を抜き出して誰かが、それを模したのだろう。外見上の見た目は本人そっくりだが、中身は全くの別物なのだろう。
他の画面にも、中世の世界では白髪にツインテールの女性姿、荒廃した星では神々しく身体を輝かせている男性が映し出された。彼女らに関してはネロ達は知らない。恐らく、自分達に会う前にトコリコが出会った敵だったのだろう。
「こっちも、迷惑しているんだ。あいつらが、好き勝手にフィルムを弄るせいで、私の研究所まで悪影響が及ぼされている」
P博士の研究所に、本来、科学とは無縁の幽霊や悪魔の類は寄りつくことはない。それが、最近になってそれらが出現するようになって彼はほどほど、困り果てていた。
「同じ仮名を与えられた私が行けばいいのだが、あいにく私は発明することぐらいしか能がない設定で描かれているので、戦闘には不向きだ。・・・そこで、ものは相談だが」
P博士は申し訳なさそうに、
「ちょっと、彼らを締め上げてきてくれないか?」
リモコンをネロ達に向けて言う。
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