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「まあ、いいわ」
キャロンは不敵な笑みを浮かべた。彼女にとって、それらは大した問題ではないのだから。むしろ、障害が多ければ多いほどに、彼女は燃え上がるタイプであるから。
「ようするに、こいつらを全員、倒してしまえばいいのでしょう。ネロ様との暑い夜を前のいい肩慣らしになりそうね」
キャロンは床を踏みつけると、床で爆発を起こさせる。その反動で、大きく跳ねた彼女はメイド服を着た敵の頭上で回っていた巨大時計塔の歯車に真上から蹴りつける。
「キャノンシュート!」
足が歯車に命中すると、爆発が起こり、回っていた歯車は軸ごと壊れた。自分達に落ちてくる歯車に気付いたメイド服を着た二人はそれぞれ、赤く光るガンレットと口からの砲撃で歯車を迎え撃とうとする。
元より避けるという選択肢はない。
高熱のガンレットと砲撃により粉砕させた。
もっとも、それに気をとられているスキにキャロンは床に着地し、両手を着くと手元で爆発を起こし身体を前転させると、
「ツインキャノン」
両足を前にいた二人のメイドの顔面に命中させた。似せて創っただけの偽者なら遠慮などいらない。顔面が爆発し二人は消滅した。どうやら、耐久性はあまり高くないようだ。もしくは、キャロンの大砲により再現された姿が吹き飛ばされ消滅したのかもしれない。これなら、偽者の攻撃にさえ注意して動けば問題はない。
しかし、後方にはまだまだ、敵は控えている。それらを打ち破って屋上にいるX氏の元まで辿り着かなくては。
(さーて、他の所にいった虎子やピースちゃんは、どうしているのかな)
キャロンは迫り来る敵を撃退しながら他のエリアに飛ばされた二人が何をしているのか、気にしていた。自分がいるところでも、これだけの敵を用意していた。他も似たようなことになっているだろう。
キャロンの予想は当たっていた。ピースは森の中を走りつつ、魔銃器を構えると周囲から襲ってくる中世時代の騎士や魔法使い、バケモノを撃退していた。
魔銃器に腰掛け空を飛ぼうとしたが、どうしても飛べない訳があった。
「まったく、卑怯じゃないの?なんで、Z氏は創造主の力を手に入れているのよ!」
ピースが愚痴るのも無理がなかった。この中世の頃のような場所。そこを収めていたのはZ氏であった。
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