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来る日も来る日も、無駄に日が上り日が沈む。夜の島は、無人島ではあるが、何か獣の気配がして怖い。簡素ではあるが、男は自分が一人寝泊りできるだけの空間を漂着した木切れで作った。
そして、ある日、また漂着物の中に、あのボトルを見つける。粉々に叩き割ったやつと、同じものだ。男は、怒りに震えた。今度はなんなんだ。男は、絶望と希望の入り混じる溜息をつきつつも、ボトルの蓋を開ける。
おにいさん、あれからおへんじがなくて、ぼくはさみしいです。ぼくのいるばしょは、くらくてつめたいです。おにいさんは、うみべのむじんとうにすんでいてうらやましいです。
まいにち、うみをみて、ほしをみてくらしているんでしょう?ぼくのいるばしょは、ただのくらやみです。ぼくにはもう、うみをみることも、ほしをみることもできないのです。
ぼくは、いちねんまえに、しらないおとこのひとに、いたいことをされて、くびをしめられてから、ずっとこのくらやみにくらしています。おとうさんとも、おかあさんとも、おにいちゃんともあえなくなってしまいました。
なので、さみしいので、おてがみをかくことにしました。おてがみのおへんじがきたときには、とぶことはもうできないけど、とびあがるほどよろこびました。
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