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蓑井の自殺のことを、すでにクラスの奴等が忘れているように。
友達を作る間もなく、その土地から去る日が来てしまうように。
いつまでも誰かの為だけに止まってくれる程、時間は優しくない。
「飽きた」
いつまでも続く同じような文面に、息をつく。これ以上は単なる時間の無駄だ。
ツイッターを消そうと、指をスマホのホームボタンへと伸ばす。
が、その瞬間だった。
『ツイートが送信されました』
画面上に流れた文字に、目を疑う。どういうことだと思いながら、画面を一番上の呟きにまで引き戻し、そこにあった光景に俺は更に自身の目を疑った。
『しのう』
先程はなかった新しい呟き。けど、俺が注目したのはそこだけじゃなかった。本当に目を見張った箇所は、その呟きの斜め上に書かれている日付だった。
『10月6日』
それはちょうど、蓑井が自殺をした日の一週間前のものだった。
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