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そもそも、本当にこのツイッターの先にいるのが蓑井なのかわからないのだ。もしかしたら、蓑井以外の誰かがイタズラでもしている可能性だってある。
本来、このアカウントの主は死んでいるのだ。ツイッターのようなSNS関連は、一時期アカウントの乗っ取りで騒がれたこともあるし、未だに続いているとも聞く。この蓑井の呟きだって、その可能性がないとは言い切れない。
(けど、それだったら、この呟きの日にちはおかしいか)
『十月六日』と薄い灰色で書かれている日にち。どうして、過去の呟きが今になって更新されているのか。
昼飯を食べながらもニュースを見てみたが、蓑井のツイッターが更新されただなんて話題はどこにもなかった。ツイッターの話題はあがったが、それも昨日と同様の中身だった。
つまり、この蓑井の呟きは俺だけが知っている。俺だけが見えるのか、それとも俺のスマホだけが過去の蓑井と繋がっているのか、それはわからないが、この世界で今、蓑井と通じているのは俺だけということになる。
「……いや、どこのSF小説だよ」
ちゃかす様に呟いてみるものの、あまり笑えなかった。
大きなため息を一つついて、俺はスマホをベッドの上に放った。一旦、休憩にしよう。いくらなんでも、午後の間中、ずっとそうしていられる程、俺の忍耐力は高くない。
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