0人が本棚に入れています
本棚に追加
普通は車の方に反応するが、そうではなく木に向かって吠えていた。
まるで、誰かが居るみたいに…。
「ねぇ…そろそろ帰らない?」
流石に恐怖を感じたオッサンは帰る提案をしたが、私達は怖がるオッサンが面白くてからかっては、奥の方の道なりに行くよう指示をした。
またもや、オッサンの怯える姿やスリルを感じる為に、人が歩くぐらいの速度で車を走らせていた時。
"ドンドン!"
…と、車の窓を叩く音がした。
ビックリした私達は、叩いた窓の方を見た。
40過ぎの何処にでもいるおじさんが険しい顔をして車の中を覗いていた。
オッサンは鍵だけはシッカリ閉めて、車の窓を開けた。
「…はい。」
「おぃっ!アンタ等、何しとんだ!」
「ぁ…あの。実は、道に迷ってしまって…でも、携帯で調べたら分かったので行くところです。」
「そうか。この辺は危ないから気をつけなよ。」
「すみません…。」
…と、普通の会話をしておじさんは通り過ぎた。
「でら、ビビった…。」
「姉ちゃん、流石に帰る?」
「そうだね…。」
最初のコメントを投稿しよう!