震災後ボランティア

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3.11に起きた震災、それにまつわる話なんですけどね。 あのときに沿岸部を飲み込んだ津波は、本当に脅威的なものでして。 二週間くらい経過した頃に、一度避難した埼玉から戻り地元の現場を見に行ったんですよ。 凄かったですね。散乱する瓦礫の山を無理矢理左右に押し退けて道作って、そこを瓦礫処理の業者が走り回ってるわけです。 中にはぎりぎり形を保ってる家も一、二軒だけあって、そこの家族でしょうね、疲れきったような顔しながら持ち出せる荷物をまとめてたりもしてました。 元は川だった場所も、木材やガラクタで埋め尽くされて、それらに混じって津波に流された家畜の死骸がまだ残っていたり。 あのときの光景と充満していた臭いは今でも忘れず覚えています。 さて、そんな過酷な場所で震災直後から業者の瓦礫撤去が開始され、数ヶ月後には結構片付いて綺麗にはなったんです。 ただ、そうなると今度は細かいごみや誰かの私物――財布や免許証、写真など本人へ届けられそうな物――を掘り出したりする作業が始まったわけなんですけど、
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