ホームルーム

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見かけは小学生、真っ黒な目に感情がこもらない顔立ち。 制服の上に濃い緑のマフラーを巻いている。 「あっくん、すごーい」 パチパチと拍手しながら桃花が褒める。 「僕は暁(あかつき)です。あっくんではありません。桃花。 魔法学書、257ページ。呪文解除」 くるくると杖で何かの印をえがきながら、暁はぶつぶつとなにかを呟く。 バチッと書かれた印が、一瞬光ったかと思うと、猫の体に埋め込まれていく。 『にゃあああん』 猫は情けない鳴き声をあげると、ぱちんとはじけるように姿を消した。
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