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「で、事の経緯はわかったが」
回転椅子にどっかりと座り込み、豊満な足を見せつけるように組んで、交互に僕らの顔を見つめる女性。
片手に長いキセルを持ち、ゆっくりと口をつけ紫の煙をふー、と僕に向かってふく。
「レムリア先生。学校内は禁煙…」
「あらあ、教頭。
な、に、か?」
すごみのある声で返され、教頭はやや剥げた頭の汗をハンカチで拭きながら、言い返せずに帰っていく。
「で、窓ガラス一枚大破の、床破壊。これは後で直してもらうよ。
それと反省文10枚」
「えー、そんなあ。レムちゃん」
桃花が不満げにぷーと頬を膨らます。
「ダメなものはダメ。いくら国に支援されてるとはいえ、好き勝手していいわけではない」
レムリア先生は長い指を僕の顎に添えると、するっと撫でる。
「亮太。国立魔法学校。生徒心得二ページ。魔法学校について、はい、説明」
「あ、えーと。魔法学校とはいつかくる脅威に備えるため設置された、国の防衛計画の要となる者を育成する施設です」
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