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僕は何故いまここにいるのだろう。
それは4月になってからずっと自問自答してきた疑問。
三者面談で高校を決めるとき、先生は唐突に僕と母親に一冊のパンフレットを差し出した。
『亮太君にぴったりの学校があるんですよ』
僕はパンフレットを手に取るとぱらっと表紙をめくる。
そこに飛び込んできたのは今どきの新設校にありがちな近代的な校舎。
『実はですね、この学校は国が経営しておりまして、全国の中学校の全生徒の中から選ばれたものしか入れない学校なんです』
『あの…それと息子となんの関係が』
母親が戸惑いながら質問する。
そりゃそうだろう。成績も中の中で特に突出したところもない平凡な息子にいきなり出された話が、あまりにもわけわからなさすぎるから。
『亮太くんがですね、その受験選抜に見事選ばれたんですよ』
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