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寝耳に水。
そんな言葉が頭に浮かぶような嘘のような話。
『なんで僕が』
『いやー、我々も(何故)だったんですよ。しかし生徒を決めるのはあくまでも国で、その選抜基準もシークレットなもんで』
先生は困ったように頭をかく。
僕はパンフレットをペラペラとめくってみる。内容はなんも他の高校とかわらない。ただひとつだけ。
初めのページにある一文が僕には引っかかった。
『望みを叶えてみませんか?』
望みっていい進学とか、いい就職の斡旋とか。そう言ったものだろうか。
『そう言った特殊な学校なんですが、なんと選抜された生徒は、受験なし、学費全面免除、寮完備、生活費支給、ってかなりの好条件なんですよ』
その言葉に母親と僕は同時に『は?』と先生に聞き返した。
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