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「っっ!!」 また、あの夢か……… でも、何で今思い出せる? いつもなら内容は覚えてないはず… いつもと違うところといえば、マレがいるくらいで…… まさか、マレが引き金で? 「っ、ぅ……」 ああ、まただ。 涙が、止まらない。 今はどうでもいいからとりあえずこの涙を止めなきゃ。 踞って涙が出なくなるのを待つ。 『……サ………ユイ、どうした』 「っ!……いたんだ。 ごめん、ちょっと…ね」 『悪い夢でも見たのか』 悪い夢では無い。 でも、夢の人の声とマレの声は似ていて、また泣きたくなる。 「……………悪い夢、ではなかった。 けど……………わからない」 『………そうか』 少し悲しそうな顔をしたマレが、俺の頭を撫でる。 『なぁ、ユイ。 お前が良ければだけど、俺のところに来ないか?』 「……え?」 どういうこと………? 撫でられている内に目から出る汗は止まっていて、今は大きく見開いている。 『だから、俺の世界に来ないか? 俺なら、お前を泣かさない。 絶対に幸せにする』 「………………………ふっ。 なんか、プロポーズみたいだな」 『そのつもりだが』 「えっ……… まあ、いっか。 マレの雰囲気あの人に似てるし」 てか夢の人とそっくりすぎ。 『……あの人、とは?』     
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