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「あ、いや、何でもない」
『………その人の話は後でじっくり聞くとして…
ユイの此方での存在は消えるが、良いか?』
「うん。もうそろそろ飽きてきたしね」
『そうか。では、行くぞ』
そう言って俺を抱え込んだ。
次の瞬間には全く別のところに来ていて、少し驚いた。
「ここが、マレの住んでる場所?」
着いたところは森で、家なんてどこにも見えない。
不思議に思って首をかしげると、マレがクスッと笑った。
『こうするんだ』
そう言って手を近くにあった大木に押し付ける。
すると大木の根元が光始め、どこからか階段が現れた。
それは奥に続いていて、深そうだ。
「……ここ?」
『ああ。行くぞ』
腕を引っ張られ、バランスを崩しかけながらもマレに付いていく。
中は以外と明るくて、キレイだった。
階段には、一定の距離でランプが付いており、奥に進むにつれて明るくなってくる。
さらに奥に進んでいくとドアがあり、それを開けると現代風の玄関があった。
そして思い出して欲しい。
俺、自分の部屋からここに来たから、裸足なんだ……
マレは…………履いてるし。
いつ出したんだよ。
玄関で入ろうかどうか悩んでいると、マレがこの状態に気付き、俺を抱える。
「え、ちょ……マレ……下ろせって」
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