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『………マレ』
「マレ……ねぇ。
良い名前だな。この世界の言葉で、マレは海って意味なんだよ。
ちょっとアンタに似てるかも。
あ、でもアンタは海っていうより深海か?
どっちも一緒か」
『深海……か。
同じ様な事を昔言われたな』
青い目が懐かしむように俺を見つめる。
「……アンタが探してた人か?」
『ああ。
やはり、魂は変わらないということか……』
「……?なんか言ったか?」
最後が聞こえなかった。
『いや、何でもない』
「そう。
あ、何か食うか?腹へったろ。
てゆうか、俺が減ってるだけだけど」
『………そうだな。
俺も腹へった』
「よし!じゃ、夕飯作るから、そこで待っとけ」
ソファーを指差し、椅子に掛けていたエプロンを付ける。
冷蔵庫に、レバーがあったはずだし……レバニラにするか。
大量出血した後だし、鉄分が必要だろ。
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