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今日も僕達の住む海へ、朝を知らせる光が降り注ぐ。
愛しの奥様が恥ずかしそうに、海藻の陰から僕を見つめているから、その瞳に惹かれて、僕から近付いていく。
その愛らしさに毎朝幸せを感じる。
でもたまには、奥様の方から来てくれてもいいのにな。
そっと近付いて、恥ずかしがる奥様のしっぽと、僕のしっぽを絡め合う。
しっかりと握り合って、ゆらゆらと揺れる。
もう新婚なんて時期は終わったのに、それでも毎朝、奥様は出逢った頃のように、顔を赤くして笑う。
「おはようございます、旦那様」
「おはようございます、奥様」
くるくると絡めあったしっぽを握りしめ、ダンスを踊る。
僕の愛が伝わる様に、僕の気持ちが、溢れ出しすぎるのを、受けてもらうように。
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