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無駄にイケメンな笑顔を振りまきながら走って来る一人の男子生徒。
その姿を見た二人は、ともに苦虫を噛み潰したような顔を浮かべる。
そんな二人には気付かず、その男子生徒は二人のいる机の前までくる。
二人の反応からして、共にこの男子生徒が苦手らしい。
そしてそんな二人の素振りには一気付かない様子の彼は、かなりの鈍感なようだ。
時雨、綾斗、共に嫌われているこの男子生徒の名は、雨宮 尋都。
女子には結構モテているが、大半の生徒、教師からは嫌われている。
それは、この二人も例外ではない。
「おはよう!二人ともどうしたの?」
元気のいい大きな声で尋都は時雨と綾斗に挨拶する。
耳に響くその声に時雨は眉を寄せる。
唯でさえ眠い中、しかも、今から寝ようとしていたのを妨害された時雨にとっては、いい迷惑である。
「五月蝿い。耳痛い!」
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