第一章 学生・・・?

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 無駄(むだ)にイケメンな笑顔を()りまきながら走って来る一人の男子生徒。  その姿を見た二人は、ともに苦虫(にがむし)()(つぶ)したような顔を浮かべる。  そんな二人には気付かず、その男子生徒は二人のいる机の前までくる。  二人の反応からして、共にこの男子生徒が苦手らしい。  そしてそんな二人の素振りには一気付かない様子の彼は、かなりの鈍感なようだ。  時雨、綾斗、(とも)(きら)われているこの男子生徒の名は、雨宮(あまみや) 尋都(ひろと)。  女子には結構モテているが、大半の生徒、教師からは嫌われている。  それは、この二人も例外ではない。  「おはよう!二人ともどうしたの?」  元気のいい大きな声で尋都は時雨と綾斗に挨拶する。  耳に響くその声に時雨は眉を寄せる。  (ただ)でさえ(ねむ)い中、しかも、今から寝ようとしていたのを妨害(ぼうがい)された時雨にとっては、いい迷惑(めいわく)である。  「五月蝿い。耳痛い!」
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