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思わず時雨は言い返した。
しかし、言ってしまってから、しまった、と思った時には、すでに遅し。
「ちょっと!尋都が態々声をかけているのに、五月蝿いって何よ!話しかけてもらっているだけ感謝なさい!」
耳を劈く様な甲高い声。
その声に時雨は、煩わしさを覚える。
その声の主は、尋都の取り巻きたちである。
元々、睡眠を邪魔されてイライラしていた時雨の怒りはピークだ。
誰に対してもそうであるが、少しでも尋都に敵対するようなことを言えば、取り巻きたちが出てくる。
面倒な事この上ない。
これが男女共に嫌われている理由。
勿論それだけではないが。
しかし、このままでは時雨の堪忍袋の緒が切れてしまう。
そうなる前に何とかしなければ、と思っている綾斗とは裏腹に、未だにきゃんきゃん 喚き散らす取り巻き。
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