第一章 学生・・・?

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 つまり、実質的(じっしつてき)純粋(じゅんすい)な天然は、時雨一人なのである。  陰では、そんなところが可愛(かわい)いと(ささや)かれているが。  「ご、ごめん、みんな。今のは僕が悪いんだ。耳元で大声を出した僕が。だからみんな怒らないで?」  しゅんとしてから、首を軽くかしげて口元に両手を合わせる尋都。  その瞬間に、取り巻き達は顔を真っ赤に()める。  しかし、なんで赤くなったかに気付かない尋都は、風邪(かぜ)でも引いたのかな?と、再び首を(かし)げる。  「「「「・・・っ!」」」」  その尋都の仕草に、取り巻き達は再び顔を赤らめる。  これはいつもの事である。  その為、クラスメイトは(すで)見慣(みな)れており、いつものように(あき)れている。  〈あぁ、またやっているよ。あいつら〉
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