プロローグ

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「や、やめー・・・」  男が顔を引きつらせながら口を開こうとする。  しかし、その声は途中で途切れた。  男は暫くしてから、前のめりに倒れた。  沈黙(ちんもく)が辺り一面を支配(しはい)する。  男の(ひたい)からは、一筋の血が()れていた。  寸分(すんぶん)の違いも無く、男は眉間(みけん)()ち抜かれた。  〈ターゲット沈黙。任務完了(にんむかんりょう)〉  【任務完了。貴族、モージス・ブシアの死を確認。お疲れさまでした、マスター】  死神の声に、機械声(きかいごえ)が答える。  死神を”マスター”と呼ぶそれは、[人造人間・エナ]。  死神の仕事をサポートするために、死神自身が作り出した物だ。  人工知能を備えたそれは、機械でありながら感情を持つ。
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