第3章 異界

13/22
前へ
/106ページ
次へ
 時雨にはそう感じられた。  そして、殺しの仕事で(つちか)われたそれらに関わる(かん)は、外れることを知らない。  時雨の(はじ)き出した答え。  だから巴は信頼(しんらい)に値する。  その答えは信頼に値する結果を弾き出しているからこそ。  時雨は自身の勘を信じている。  信じられるだけの実績(じっせき)を弾き出した(おのれ)の勘を。  「それは理解した。で、何故俺は神に呼ばれている?俺の目が覚めたのなら、さっさと連れて行けばいいだろう。何故未だに此処に留まっている。それと、なぜ俺の姿が変わっているんだ。そこも含め、説明を求める」  数多(あまた)有る情報、情景(じょうけい)から必要な情報だけを抜き取り、今最も重要な事を引き出す。  時雨が最も得意とする事。  それは情報の抽出(ちゅうしゅつ)。  必要な情報だけを正確に、瞬時に引き出す。
/106ページ

最初のコメントを投稿しよう!

891人が本棚に入れています
本棚に追加