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と言うより、完全に忘れていたであろう問いだ。
『どうぞ、お好きに御呼び下さい』
あっさりと許可が出たため、時雨は拍子抜けした。
余程変な顔をしていたのだろうか。
巴が頭を傾げて淡く微笑んでいた。
「?そうか。じゃあ早速。巴、何時まで俺は此処に居ないといけないんだ?それと、この姿はどうなるんだ?元に戻るのか?」
『いいえ。戻ることはありません。神が貴方の姿を再構成したとはいえ、それは魂の奥底に眠る本来の姿しか反映できない。貴方の其れが本来の姿。貴方はこれから、その姿で生きることとなる。それと、此処に居る期間は、貴方の体と魂が定着し次第、神の元に向かう」
巴は先程までの微笑みを消し、真剣な顔で答える。
「・・・そうか」
「分かった。有り難う」
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