第3章 異界

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 それに、巴と夜光は首を(かし)げる。  『急に笑い出してどうしたんですか?ぁ・・・あ、天音様』  巴は、時雨の名を呼ぶ前に一瞬躊躇(ちゅうちょ)しながらも、音無、ではなく、天音の名で時雨を呼んだ。  「あぁ・・・いや。何でもない。気にするな。それと俺の事は、夜光と同じ様に時雨と呼んでくれ。その方が落ち着く」  時雨はそう言ったが、夜光達はいまいち()に落ちない様子だった。  しかし、時雨に伝えることが在るため、巴は然程気にしなかった。  『?分かりました。では時雨様。もう一つ』
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