第4章 新たなる力

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 夜光は鏡を乗せた手を、時雨の方に向けた。  どうやら、見かねた夜光は時雨の為に鏡を出してくれたらしい。  「あ、有り難う・・・」  時雨は、突然(とつぜん)の事に驚きながらも、夜光に礼を言う。  で、礼を言われた夜光はと言うと。  『別に・・・礼を言われる様なことはしてない』  顔を時雨から()らしながら、()()無く切り返す。  しかし、その(ほほ)は薄っすらと朱色に染まっていた。  その姿に、巴は驚き、時雨は微笑ましく思っていた。  普段、感情を(あらわ)にしない夜光が、くるくると表情を変えているのだ。  巴が驚くのも不思議ではない。  一方時雨は、無表情な夜光ばかり見ていた。  その為、素直に夜光が感情を表に出してくれて嬉しいのだ。
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