第4章 新たなる力

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 そう、大凡(おおよそ)魔法陣と呼ばれる物だった。  そして、両瞳に浮かぶその魔法陣は、(わず)かに回っているように見えた。  (いな)、少しずつではあるが、実際に回っている。  『()れは、”ソロモンの知恵”と呼ばれるものです。貴方はソロモンの血族(けつぞく)。そして、ソロモンの力を受け()ぎし、正統(せいとう)なる後継者(こうけいしゃ)』  ソロモン。  時雨も、聞いた事の在る名だ。  しかしそれよりも何よりも、時雨は巴の言葉に引っ掛かりを覚える。  「正統なる?只の後継者ではなくて?」  そう。  巴は、”正統なる”後継者と言ったのだ。  何故、 只の後継者ではなく、”正統なる”を付けるのか。
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