第4章 新たなる力

6/19
891人が本棚に入れています
本棚に追加
/106ページ
 それが最も気になる所だったのである。  時雨のその疑問に巴が答える。  『はい。過去にも後継者はいましたが、力を受け継いだ者は(みな)力が弱く、正統な後継者には()()ませんでした。”だから”貴方が、正統なる後継者。しかし、貴方はその中でも異例(いれい)先祖(せんぞ)(がえ)りと言うのもありますが、貴方の力はソロモンに匹敵(ひってき)する、いえ、もしくはそれ以上。それ程までに貴方の力は強い』  その言葉に、時雨は更に驚く。  ソロモンの力を受け継いだ。  それだけでも驚いているにも(かかわ)らず、その力がソロモン王を超えているかもしれない。  先祖返り、と巴は言うが、それだけではとても説明がつかない。  時雨は、これまでにない程困惑(こんわく)していた。  そんな時雨の思考を読んだのか、夜光が口を開く。  『時雨の力がソロモンを超えているのは、残り(ふた)つの力に影響(えいきょう)を受けているからだ。余り思い詰めるな』
/106ページ

最初のコメントを投稿しよう!