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それが最も気になる所だったのである。
時雨のその疑問に巴が答える。
『はい。過去にも後継者はいましたが、力を受け継いだ者は皆力が弱く、正統な後継者には成り得ませんでした。”だから”貴方が、正統なる後継者。しかし、貴方はその中でも異例。先祖返りと言うのもありますが、貴方の力はソロモンに匹敵する、いえ、もしくはそれ以上。それ程までに貴方の力は強い』
その言葉に、時雨は更に驚く。
ソロモンの力を受け継いだ。
それだけでも驚いているにも拘らず、その力がソロモン王を超えているかもしれない。
先祖返り、と巴は言うが、それだけではとても説明がつかない。
時雨は、これまでにない程困惑していた。
そんな時雨の思考を読んだのか、夜光が口を開く。
『時雨の力がソロモンを超えているのは、残り弐つの力に影響を受けているからだ。余り思い詰めるな』
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