第一章 学生・・・?

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 時雨は、世間一般でいう殺し屋をやっている。  通称(つうしょう)”死神”  誰もが知るほどにあまりにも有名な呼び名。  世界最強で、最凶。  しかし最も恐れられ、畏怖(いふ)の対象である”死神”の正体は、その(じつ)何処(どこ)にでもいる様な学生なのである。  そんな時雨の裏の顔を唯一(ゆいいつ)知っているのが、綾斗である。  そして、”死神”としての顔が割れていないのは、全て綾斗のおかげなのである。  表立って依頼を受けているのは綾斗なのだ。  その為、”死神”に依頼をした、という人はいても、顔を知る人はいないのだ。  これが、誰もが”死神”の存在を知っているにも(かかわ)らず、その姿が()に知れ(わた)っていない理由である。 「少し寝るか?時間になったら起こしてやる」  綾斗は、時雨の頭を()でながら話す。
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