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口には出していないが、夜光も同じような心境だ。
そんな二人の困惑を他所に、時雨は自らが創り出したピアスを手に取る。
両手に一つずつピアスを持ち、夜光と巴に体を向ける。
そして、巴と夜光に一つずつ、ピアスを渡す。
「ほら。やる。巴と夜光と同じ様に、対なんだ。あんた達にピッタリだろ?」
淡く微笑みながら、時雨はそう説明した。
アメジストが綺麗に加工されたピアスは、装飾が黒と白に分かれていた。
白は巴に、黒は夜光に渡された。
巴達と同じく、対で創った物だ。
まさか、自分たちに渡されると思わなかった夜光と巴は、咄嗟に受け取るも吃驚した顔を浮かべていた。
『し、時雨様、此れは・・・』
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